- TrueType Fonts (TTF) / OpenType Fonts (OTF)
デスクトップフォントとして一般的に使われる形式ですが、Webフォントとしても利用できます。 - Web Open Font Format (WOFF/WOFF2)
Webフォント専用に開発された形式で、TTFやOTFよりも圧縮率が高く、軽量であるためWebページのパフォーマンス向上に寄与します。 - Embedded OpenType (EOT)
特にInternet Explorerでの互換性のために使用されますが、他のブラウザではサポートが限られています。 - Scalable Vector Graphics (SVG)
特にiOSの旧バージョンで使用されることがあり、ベクター形式のフォントです。
【ホームページ制作で気をつけたいことシリーズ】第23弾 Webフォントの使用と対応ブラウザ
目次
ホームページ制作におけるWebフォントの使用と対応ブラウザ
ホームページ制作において、デザインの美しさや視認性を向上させるためにWebフォントを使用することが増えています。Webフォントは、サーバー上にホストされたフォントファイルを使って、ユーザーのブラウザに特定のフォントを表示させる技術です。これにより、デザインの一貫性を保ちつつ、ブランドイメージを強化することができます。しかし、Webフォントを使用する際には、対応ブラウザや読み込み速度など、いくつかのポイントに気をつける必要があります。
Webフォントの基礎知識
Webフォントとは?
従来、Webページでのフォントはユーザーのデバイスにインストールされているフォントに依存していました。しかし、Webフォントを使用することで、デバイスに依存せずに特定のフォントを表示することが可能になります。これにより、デザインの一貫性を保つことができ、ブランドイメージの表現が向上します。
Webフォントの形式
Webフォントには主に以下の形式があります。
Webフォントの選定と注意点
フォントの選定基準
Webフォントを選定する際には、デザイン性と可読性を考慮する必要があります。例えば、ブランドのイメージに合ったフォントを選ぶことで、ユーザーの印象に強く残るWebサイトを作成できます。また、視認性の高いフォントを選ぶことで、特に小さなデバイスでも読みやすいテキストを提供することが可能です。
ファイルサイズの影響
フォントファイルのサイズが大きいと、ページの読み込み速度に影響を与えます。Webフォントは通常、複数のウェイトやスタイルを持つため、必要なものだけを選んで使用することが重要です。また、WOFFやWOFF2のような圧縮フォーマットを使用することで、ファイルサイズを減らし、パフォーマンスを向上させることができます。
フォールバックフォントの設定
ブラウザやネットワーク環境により、Webフォントが正しく読み込まれない場合に備えて、フォールバックフォントを指定することが重要です。フォールバックフォントは、デザインやサイズがWebフォントに似たものを選ぶことで、レイアウトの崩れを防ぎ、ユーザー体験を損なうことを避けることができます。
対応ブラウザの重要性
ブラウザごとの互換性
すべてのブラウザがWebフォントを同じようにサポートしているわけではありません。特に古いバージョンのブラウザでは、Webフォントが正しく表示されない場合があります。主要なブラウザであるGoogle Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge、Operaは一般的にWebフォントをサポートしていますが、Internet Explorerや古いモバイルブラウザではサポートが限定的です。
フォールバックフォントの設定
ブラウザ互換性を考慮する際には、フォールバックフォントを設定することが欠かせません。フォールバックフォントは、ユーザーが使用しているブラウザがWebフォントを正しく表示できない場合に、自動的に使用される代替フォントです。たとえば、セリフ体のWebフォントを使用している場合、フォールバックフォントもセリフ体のシステムフォントを選ぶと良いでしょう。これにより、ユーザー体験の一貫性が保たれます。
フォントのレンダリングとパフォーマンス
異なるブラウザやデバイスでは、フォントのレンダリング方法が異なります。これにより、同じフォントでも見え方が異なる場合があります。レンダリングの違いによってテキストの読みやすさが変わるため、特に重要なテキストがある場合には複数の環境で表示確認を行うことが推奨されます。
パフォーマンスの最適化
遅延読み込み(Lazy Loading)
Webフォントがページの表示に与える影響を最小限に抑えるために、遅延読み込みを活用する方法があります。遅延読み込みでは、必要なフォントのみを後から読み込むことで、初期表示時の読み込み時間を短縮します。これにより、ユーザーがページを読み始めるまでの時間が短縮され、体験が向上します。
事前読み込み(Preloading)
Webフォントがすぐに表示されるように、事前読み込みを行うことも有効です。事前読み込みを設定することで、ブラウザが他のリソースを読み込む前にフォントをキャッシュし、ユーザーがページを表示した際に迅速にフォントを適用できます。これにより、テキストが瞬時に表示されるため、ユーザーにとって快適な体験が提供されます。
フラッシュ・オブ・アンスタイルド・テキスト(FOUT)とフラッシュ・オブ・インビジブル・テキスト(FOIT)
Webフォントの読み込みが遅れると、FOUTやFOITといった問題が発生する可能性があります。FOUTは、Webフォントが読み込まれるまでフォールバックフォントで一時的にテキストが表示される現象で、FOITはテキストが一時的に非表示になる現象です。これらの問題を回避するために、フォントの読み込みが完了するまでの間、適切にCSSで対処することが重要です。
ユーザー体験の向上
ローカルフォントの活用
ユーザーのデバイスに既にインストールされているローカルフォントを活用することで、Webフォントの読み込み時間を短縮し、パフォーマンスを向上させることができます。たとえば、Google Fontsのような広く普及しているWebフォントは、ユーザーのデバイスにローカルにキャッシュされている場合が多く、その場合は読み込み時間が大幅に短縮されます。
カスタムフォントの利用
ブランドの独自性を強調するためにカスタムフォントを使用することも一つの選択肢です。しかし、カスタムフォントの使用は、特にファイルサイズや対応ブラウザの点で慎重に行う必要があります。カスタムフォントを利用する際には、最適化された形式で提供し、フォールバックフォントを適切に設定することが求められます。
アクセシビリティの確保
Webフォントを使用する際には、アクセシビリティの観点も重要です。たとえば、色覚障害者向けにコントラスト比を十分に確保することや、視覚障害者向けのスクリーンリーダーでの読み上げが正しく行われるようにフォントを設定することが求められます。また、テキストが小さくても可読性が高いフォントを選ぶことが重要です。
まとめ
Webフォントの使用は、ホームページのデザインにおいて非常に効果的な手段であり、ブランドの個性を際立たせることができます。しかし、対応ブラウザ、パフォーマンス、ユーザー体験の最適化など、いくつかの重要な点に注意を払うことが求められます。これらの要素をバランスよく考慮し、Webフォントを正しく実装することで、ユーザーにとって魅力的で使いやすいホームページを提供することができるでしょう。
このコラムを書いた人
Misato
AdvisorDirectorDesignerFront-end-engineer
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