画像の拡張子「webp」はいつできたのか？もう主流なのか？

Web制作において、画像は欠かせない要素です。その中で、近年注目を集めている画像フォーマットが「WebP」です。しかし、このWebPという拡張子がいつ登場し、どのような特徴を持っているのか、また現在の普及状況はどうなのか、気になる方も多いのではないでしょうか？

今日のコラムでは、WebPの歴史や技術的な特徴、そしてWeb制作の現場で主流といえるかどうかを詳しく解説します。

WebPの誕生：いつできたのか？

WebPは、Googleが開発した画像フォーマットで、初めて発表されたのは2010年9月30日です。このフォーマットは、Googleが提供するオープンソースプロジェクトの一環として公開されました。

WebPが誕生した背景には、インターネット上の画像データの効率化という課題がありました。従来のJPEGやPNGといったフォーマットでは、ファイルサイズの大きさがウェブページの表示速度やユーザー体験に悪影響を及ぼしていました。Googleは、ページの読み込み速度を向上させ、インターネット全体のデータ転送効率を高めるためにWebPを開発したのです。

WebPの基礎技術は、動画圧縮フォーマット「VP8」から派生したものであり、画像の圧縮効率を高めることを目的としています。そのため、WebPは非常に優れた圧縮率を誇り、同じ画質であればJPEGやPNGよりもファイルサイズを大幅に削減できるというメリットがあります。

WebPの特徴：なぜ注目されるのか？

WebPは、他の画像フォーマットと比較してさまざまな利点があります。その特徴を詳しく見ていきましょう。

高い圧縮率

WebPは、従来のJPEGやPNGと比較して25～34%程度ファイルサイズを削減できると言われています。たとえば、同じ品質の画像を保存する場合、WebPのほうが圧縮効率が高いため、データ転送量を抑えることが可能です。これにより、ウェブサイトの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEOにも効果を発揮します。

ロスレス圧縮と有損圧縮の両対応

WebPは、画像を品質劣化なしに圧縮する「ロスレス圧縮」と、品質を若干犠牲にしてファイルサイズを削減する「有損圧縮」の両方に対応しています。これにより、用途に応じて適切な圧縮方式を選べます。

アニメーションや透過機能のサポート

従来、アニメーション画像はGIFが主流で、透過画像はPNGが利用されてきましたが、WebPはアニメーションと透過機能の両方をサポートしています。そのため、1つのフォーマットで複数の用途をカバーできる点が大きな魅力です。

モバイルフレンドリー

WebPの軽量なファイルサイズは、スマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスでも高速な画像表示を可能にします。モバイルファーストの現代において、WebPの普及が加速している理由の1つと言えるでしょう。

WebPはもう主流なのか？

WebPの採用状況を考えると、次のようなポイントで評価することができます。

ブラウザの対応状況

2025年現在、主要なウェブブラウザ（Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Safariなど）は、ほぼすべてWebPをサポートしています。一方で、古いバージョンのブラウザや一部の特殊なブラウザでは未対応のケースもあります。そのため、すべてのユーザーがWebP画像を正しく表示できるとは限らないという課題が残っています。

サーバーやCMSのサポート

多くのウェブサーバーやCMS（WordPress、Drupalなど）は、WebPフォーマットをサポートするプラグインや機能を提供しています。たとえば、WordPressでは専用プラグインを使用することでWebP画像を簡単に配信できます。特に、Googleが推奨する形式であることから、多くのウェブ制作現場で採用が進んでいます。

ユーザー体験とSEOへの影響

WebPの軽量性は、ウェブページの表示速度を向上させ、Googleのコアウェブバイタル（Core Web Vitals）における評価にもプラスの影響を与えます。したがって、SEOを重視する企業や個人がWebPを積極的に採用する傾向があります。

デザイナーや開発者の視点

WebPの普及に伴い、多くのデザインツール（Adobe Photoshop、Canva、GIMPなど）がWebP形式へのエクスポート機能を提供しています。このように、制作から配信までのワークフローが整いつつある点も普及を後押ししています。

WebPを導入する際の注意点

WebPには多くの利点がありますが、導入する際にはいくつかの注意点があります。

ブラウザ互換性の確認

WebPに未対応のブラウザを利用するユーザーがいる場合、画像が正しく表示されないリスクがあります。そのため、WebP画像と同時に従来のJPEGやPNG形式の画像を用意し、条件によって適切な形式を配信する「フォールバック対応」が必要です。

画像変換のコスト

既存のJPEGやPNG画像をWebPに変換するには、専用のツールやプラグインを使用する必要があります。大量の画像を変換する場合、手間やコストがかかる点を考慮しましょう。

ファイルの互換性

一部の古いデバイスやソフトウェアでは、WebP形式の画像がサポートされていない場合があります。これらの環境を想定した柔軟な運用が求められます。

まとめ

WebPはホームページ制作に欠かせないか？

WebPは、優れた圧縮率と多機能性を持つ画像フォーマットとして、ウェブ制作の現場でますます重要性を増しています。

現在、ブラウザやCMSのサポートが進み、SEOやモバイルユーザーの体験を向上させる点で注目されていますが、一部の環境では互換性の問題が残っているため、完全に主流とは言い切れません。ただし、フォールバック対応を行うことでそのデメリットを補えるため、導入を検討する価値は十分にあります。

今後、WebPがさらに普及し、インターネットの標準的な画像フォーマットとしての地位を確立する可能性は高いと言えるでしょう。