- ・企業のグループサイト
各事業部や子会社ごとに独立したサイトを運営。 - ・多言語対応サイト
言語ごとにサイトを分けて管理。 - ・フランチャイズや地域別サイト
地域や店舗ごとに独自のコンテンツを表示。 - ・一括更新や統一管理が求められる企業グループのサイト運営。
- ・多言語対応が必要な場合で、言語ごとに異なるドメインやサブディレクトリを使用する場合。
マルチサイトの落とし穴、デメリットについて詳しく知る
マルチサイトの落とし穴とは?デメリットについても解説
マルチサイトは、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)で一つのインストール環境から複数のサイトを管理できる便利な機能です。この仕組みは、特に企業のグループサイトや多言語対応サイトの運営において、効率的な運用が期待できます。しかし、マルチサイトには利便性の裏に「落とし穴」や「デメリット」が存在します。これらを理解せずに導入すると、思わぬトラブルや負担を引き起こす可能性があります。
今日のコラムでは、マルチサイトのデメリットや注意点について詳しく解説します。
マルチサイトの基本概要
マルチサイトとは、一つのCMS環境で複数のサイトを作成・管理できる仕組みを指します。たとえば、以下のようなケースで活用されます。
管理者は一つのダッシュボードから複数のサイトを操作できるため、運営効率が向上するという利点があります。しかし、こうした利点にばかり目を向けて導入すると、デメリットが浮上する可能性があります。
マルチサイトの主なデメリット
システム全体が連動するリスク
マルチサイトは一つのシステムで動作しているため、以下のようなリスクがあります。
障害時の影響範囲が大きい
システムエラーやサーバートラブルが発生した場合、すべてのサイトが影響を受けます。個別のサイトを分けて運営していれば、問題が発生しても他のサイトには影響しませんが、マルチサイトではこのような分離ができません。
プラグんいやテーマの不具合
特定のプラグインやテーマに不具合があると、すべてのサイトで問題が発生する可能性があります。特に、アップデート後にトラブルが発生するケースが多いため注意が必要です。
カスタマイズの制約が増える
マルチサイトは一つのシステムを共有しているため、各サイトごとに完全に異なるデザインや機能を実現するのが難しい場合があります。
テーマの共有
一つのテーマを全サイトで共有することが前提となるため、大幅なカスタマイズが必要な場合、管理が複雑になります。
プラグインの制約
全サイトで共通のプラグインを使用する必要がある場合、特定のサイトに合ったカスタマイズが困難になることがあります。
管理の複雑化
一つの管理画面で複数のサイトを運営できる点は便利ですが、以下のようなデメリットもあります。
権限設定が煩雑
サイトごとに異なる管理者や編集者が必要な場合、ユーザー権限の設定が複雑化します。特定のサイトだけの管理権限を付与する場合など、細かい設定が求められます。
コンテンツ管理の混乱
同じダッシュボード内で複数のサイトを管理すると、誤って別のサイトの内容を編集してしまうリスクが増えます。
移行やバックアップが難しい
マルチサイトは、システムが複数のサイトを一つのデータベースで管理するため、以下の課題が生じます。
個別サイトの移行が難しい
マルチサイト環境から特定のサイトを単独のシステムに移行するには、高度な技術が必要です。これが原因で、柔軟な運用が妨げられることがあります。
バックアップと復元が複雑
すべてのサイトを一括でバックアップする仕組みが基本ですが、特定のサイトのみを復元したい場合には手間がかかります。
サーバー負荷が増加
マルチサイトでは、複数のサイトが一つのシステム上で動作するため、サーバーへの負荷が高まります。特に以下の状況で問題が発生しやすいです。
トラフィックの増加
一部のサイトが大量のアクセスを受けると、他のサイトのパフォーマンスにも影響が及びます。
リソースの競合
サーバーのリソース(CPUやメモリ)が一つのサイトに偏ることで、全体の速度が低下する場合があります。
コストと時間の負担
導入時や運用時に、予想以上のコストや時間がかかる場合があります。
初期設定が複雑
マルチサイトの設定には専門知識が必要で、初心者には敷居が高いです。
トラブル対応に時間がかかる
問題が発生した場合、一つのサイトだけでなく全体を調査する必要があるため、解決に時間がかかります。
マルチサイトを運用する際の注意点
適切なサーバー環境を選ぶ
マルチサイトを安定的に運用するためには、十分な性能を持つサーバーが必要です。特に、トラフィックが多い場合や複数のサイトを頻繁に更新する場合には、リソースが不足しないよう注意しましょう。
バックアップと復元の計画を立てる
全体のバックアップだけでなく、特定のサイトを個別に復元できる方法を事前に準備しておくことが重要です。また、定期的にバックアップを取得する仕組みを整える必要があります。
導入前に要件を明確にする
マルチサイトが本当に必要かどうかを、導入前に慎重に検討しましょう。単独のサイト構成でも十分な場合や、別の方法で管理を効率化できる場合は、マルチサイトを選ばない方がよいこともあります。
権限管理を適切に行う
運営者や編集者が複数いる場合、各ユーザーの権限を適切に設定することで、誤操作やセキュリティリスクを防止します。
シンプルな運用を心がける
各サイトに共通する部分は統一し、カスタマイズの範囲を制限することで、管理の複雑さを軽減します。また、使用するテーマやプラグインを厳選することで、問題が発生するリスクを減らせます。
マルチサイトが適している場合
マルチサイトには多くのデメリットがありますが、以下のようなケースでは有効です。
まとめ
マルチサイトは便利な仕組みですが、リスクやデメリットも多く存在します。特に、システム全体が連動している点や、カスタマイズや移行の難しさ、管理の複雑化などが挙げられます。そのため、導入を検討する際には、自社の運用体制や要件に合っているかを慎重に見極めることが重要です。
導入前にデメリットを十分に理解し、適切なサーバー環境や運用計画を整えることで、マルチサイトの利便性を最大限に活用できるでしょう。選択に迷った場合は、専門家の意見を取り入れることも検討してください。
このコラムを書いた人
さぽたん
AdvisorDirectorDesignerFront-end-engineer
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