【ホームページ制作辞典】CSSのvwとvhを使い分けるポイント
目次
CSSのvwとvhを使い分けるポイントについて
Webデザインにおいて、レスポンシブなレイアウトを作成するためには、様々な単位が活用されます。中でも、vw(viewport width)とvh(viewport height)は、ビューポートサイズに基づいて要素の幅や高さを指定できる便利な単位です。このコラムでは、vwとvhの使い方と、それぞれの使い分けのポイントについて詳しく説明していきます。
vwとvhとは何か?
まず、vwとvhの基本的な意味を確認しましょう。vwはビューポート幅の1%を表しています。例えば、ビューポートの幅が1000pxの場合、1vwは10pxとなります。vhはビューポート高さの1%を表しています。ビューポートの高さが800pxの場合、1vhは8pxです。ビューポートとは、画面上のブラウザの表示領域のことで、デバイスのスクリーンサイズに応じて変わります。これらの単位を使うことで、画面サイズに合わせた動的なデザインが可能になります。
vwとvhのメリット
vwとvhは、固定的なピクセル値ではなく、ビューポートに応じた相対的なサイズを指定するため、異なるデバイスや画面サイズでも要素が自然に調整される利点があります。これにより、レスポンシブデザインを実現しやすくなります。
なぜピクセルではなくvwやvhを使うのか?
従来の固定的なピクセル単位だと、デバイスごとに異なるレイアウトを作成する必要がありました。しかし、vwやvhを使用すると、ビューポートに応じて自動的に要素が調整されるため、効率的なデザインが可能になります。
vwの使いどころ
vwは、横幅に基づいてレイアウトを調整したい場合に特に有効です。ビューポートの幅に応じて動的に変化する要素の設計に最適です。以下のような場面での利用が考えられます。
フルワイドデザイン
Webサイト全体を横幅いっぱいに広げたい場合に、vwを使うことで、画面サイズに合わせて要素を自動的に調整することができます。例えば、画像や背景をビューポート全体に広げるデザインでは、画面の幅に対して要素が自然にフィットするため、異なるデバイスでも違和感なく表示されます。
テキストのサイズ調整
レスポンシブデザインでは、テキストのサイズを動的に調整したい場面があります。vwを使うと、画面の幅に応じてフォントサイズも変化させることが可能です。例えば、スマートフォンの小さな画面では小さく、大型ディスプレイでは大きくテキストが表示されるため、視認性が保たれます。
コンテナやレイアウトの調整
グリッドレイアウトやフレキシブルなデザインにおいても、vwを使うとコンテナの幅をビューポートに合わせて簡単に調整できます。これにより、画面幅に応じた柔軟なレイアウトが実現します。
vhの使いどころ
一方で、vhは高さに基づいてレイアウトを調整したい場合に使用します。特に、ビューポートの高さに応じて要素のサイズや位置を変化させたい場合に適しています。
フルスクリーンの要素
画面の高さいっぱいに広がる要素を作成する際にvhは非常に有効です。例えば、ファーストビュー(ページを開いたときに最初に表示される部分)を画面の高さいっぱいに広げたい場合に、vhを使うと簡単に実現できます。これは、ビジュアル重視のランディングページなどでよく利用される手法です。
モバイルデザインでの活用
スマートフォンのような縦長のデバイスでは、画面の高さに依存するレイアウトが多くなります。vhを使うことで、デバイスの高さに応じてヘッダーやフッターの位置、コンテンツの表示範囲などを調整しやすくなります。特に、固定の高さを持たせたデザイン要素に対して、ユーザーがデバイスを縦横に回転した場合でも柔軟に対応できる点が便利です。
縦スクロールの調整
スクロールが必要なコンテンツで、要素の高さをビューポートに合わせて調整したい場合にvhは役立ちます。特に、モダンなウェブサイトでは、画面に収まる範囲で次のコンテンツが表示されるようなレイアウトが多く見られます。このようなデザインをvhを使うことで、シンプルかつレスポンシブに実現できます。
vwとvhを組み合わせるケース
vwとvhは、それぞれ単独で使うことも多いですが、組み合わせることでさらに柔軟なデザインが可能になります。ビューポートの幅と高さに応じて要素のサイズを調整したい場合や、比率を維持したまま動的なレイアウトを作成する場合に特に効果を発揮します。
正方形や比率を維持した要素
例えば、画面に表示される要素の幅と高さを同じ割合に保ちたい場合、vwとvhを組み合わせることで正方形や特定のアスペクト比を持つ要素を簡単に実現できます。これにより、さまざまなデバイスでも均一なデザインを維持することができます。
ビジュアル要素のバランス調整
画像や動画などのビジュアル要素は、幅と高さのバランスが重要です。これらの要素に対してvwとvhを適切に使い分けることで、異なるデバイスでも崩れにくいレイアウトを作成することが可能です。
vwとvhを使う際の注意点
vwとvhは非常に便利な単位ですが、使用する際には注意すべき点もいくつかあります。
小さなデバイスでの問題
特にモバイルデバイスでvwやvhを使用する際には、極端に小さな画面での表示を考慮する必要があります。画面が小さすぎる場合、要素が必要以上に小さくなり、ユーザー体験に悪影響を与えることがあります。そのため、場合によってはメディアクエリなどで適切に調整することが重要です。
ビューポートの変更に対する対応
ブラウザのビューポートは、ユーザーがスクロールしたりウィンドウサイズを変更したりすることで変化します。これに対応するために、vwやvhを使う際は、ビューポートサイズの変化に対しても要素が適切にリサイズされるよう設計する必要があります。
まとめ
vwとvhは、ビューポートに基づいて要素のサイズを調整するための強力なツールです。それぞれの特性を理解し、適切な場面で使い分けることで、レスポンシブかつ柔軟なデザインが可能になります。特に、異なるデバイスで一貫した表示を維持するためには、これらの単位を活用するのがポイントとなってくるでしょう。
このコラムを書いた人
さぽたん
AdvisorDirectorDesignerFront-end-engineer
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