プロトコルベースの攻撃(Protocol-Based Attacks)は、ネットワークやアプリケーションプロトコルの仕様や実装上の脆弱性を悪用して、攻撃を行う手法です。以下に代表的なプロトコルベースの攻撃をいくつか説明します。
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SYN Flood攻撃: 攻撃者が大量のTCP SYNパケットをターゲットに送信し、ターゲットのリソースを消耗させる攻撃です。ターゲットはSYNパケットを受け取り、応答のSYN/ACKパケットを送信しますが、攻撃者はその応答を無視し続けます。これにより、ターゲットのリソースが枯渇し、正規の接続を受け付けられなくなります。
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ICMP Flood攻撃: 攻撃者が大量のICMPエコーリクエスト(Ping)をターゲットに送信する攻撃です。これにより、ターゲットのネットワークリソースが消耗され、正規の通信が妨げられます。
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DNS Amplification攻撃: 攻撃者が改ざんされたDNSサーバーを使用して、ターゲットに対して大量のDNS応答を生成する攻撃です。攻撃者はDNSリクエストを改ざんされたDNSサーバーに送信し、そのDNSサーバーがターゲットに対して大量の応答を送信します。これにより、ターゲットのネットワークやサーバーのリソースが消耗されます。
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SIP Flooding攻撃: SIP(Session Initiation Protocol)を悪用して、VoIP(Voice over IP)ネットワークやサーバーに対して大量のSIPセッションを確立する攻撃です。これにより、リソースの消耗やサービスの停止を引き起こすことがあります。
プロトコルベースの攻撃は、攻撃者がネットワークやアプリケーションプロトコルの仕様や実装上の脆弱性を悪用するため、対策が重要です。対策としては、ファイアウォールやIPS(Intrusion Prevention System)などのセキュリティソリューションの導入、プロトコルの適切な設定やフィルタリング、パッチやアップデートの適用、プロトコルに関するセキュリティ設計の実施などが考慮されます。