踏み台攻撃(Bastion Host Attack)は、攻撃者が脆弱なシステムやネットワークに侵入するために、信頼性の高いシステムやネットワーク(踏み台)を経由する攻撃手法です。踏み台攻撃では、攻撃者はまず踏み台となるシステムに侵入し、その後、実際の攻撃対象であるシステムにアクセスします。
踏み台攻撃の主な目的は以下の通りです。
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匿名性の確保: 踏み台システムを介して攻撃を行うことで、攻撃者の正体や真の攻撃元を隠蔽することができます。攻撃ログやトレースバックの困難化が狙いです。
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防御の回避: 踏み台システムは通常、セキュリティ対策が強化されていることがあります。攻撃者はこのようなセキュリティ対策を回避し、狙ったシステムにアクセスすることができます。
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権限の昇格: 踏み台システムに侵入した攻撃者は、そのシステム上で特権の昇格を行い、より高いレベルの権限を取得することができます。これにより、攻撃者は攻撃対象システムやネットワーク内での攻撃活動を行えます。
踏み台攻撃への対策としては、以下のような手法があります。
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強化されたアクセス制御: 踏み台システムへのアクセスを制限し、必要なユーザーのみがアクセスできるようにします。また、二要素認証やパスワードポリシーなどのセキュリティ対策を実施します。
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ログ監視: 踏み台システム上でのアクティビティやログを監視し、不審な動きを早期に検知します。攻撃が発生した場合は、迅速に対応することが重要です。
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セキュリティパッチとアップデートの適用: 踏み台システムや攻撃対象システムのセキュリティパッチやアップデートを定期的に適用し、脆弱性を最小限に抑えます。
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ネットワークセグメンテーション: 踏み台システムと攻撃対象システムを分離することで、攻撃の拡散や横断を防止します。
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インシデントレスポンスプランの策定: 踏み台攻撃などのセキュリティインシデントに備え、迅速な対応を行うためのインシデントレスポンスプランを策定します。
踏み台攻撃は高度な攻撃手法の一つであり、セキュリティ対策の重要なポイントとなります。適切なセキュリティ対策を講じることで、踏み台攻撃に対するリスクを軽減することができます。