DDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack)は、複数のコンピュータやネットワークからの攻撃者による組織的な攻撃です。攻撃者は、膨大な数のボット(ゾンビ)マシンやコンピュータを制御し、同時に対象となるシステムやネットワークに対して大量のトラフィックやリクエストを送信します。その結果、システムやネットワークが過負荷状態に陥り、正規のユーザーにサービス提供が妨げられる状態になります。
DDoS攻撃の特徴は以下の通りです。
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分散性: DDoS攻撃は、多数のボットマシンやコンピュータからのトラフィックを使用するため、攻撃の分散性が高いです。これにより、攻撃者は単一の攻撃源からのトラフィックをブロックされることなく、攻撃を継続することができます。
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膨大なトラフィック: DDoS攻撃は、膨大な数のパケットやリクエストを対象となるシステムに送信します。このトラフィックの増加により、システムのリソース(帯域幅、処理能力、メモリなど)が消費され、正規のユーザーに対するサービス提供が妨げられます。
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攻撃手法の多様性: DDoS攻撃は、様々な攻撃手法を使用することがあります。例えば、ボリュームベースの攻撃(UDPフラッド、ICMPフラッド)、アプリケーションレイヤの攻撃(HTTPフラッド、Slowloris攻撃)、リソースの枯渇攻撃(SYNフラッド、ACKフラッド)などがあります。
DDoS攻撃から組織を保護するためには、以下のような対策が重要です。
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ネットワークの監視とトラフィックのフィルタリング: ネットワークのトラフィックを監視し、異常なトラフィックパターンを検知するシステムを導入します。さらに、フィルタリング技術やアクセス制御リスト(ACL)を使用して、不正なトラフィックを遮断することが重要です。
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インフラストラクチャの強化: 対象となるシステムやネットワークのインフラストラクチャを強化します。負荷分散装置(Load Balancer)やファイアウォール、インターネット接続の増強などが含まれます。
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クラウドベースのDDoS保護サービスの利用: クラウドベースのDDoS保護サービスを利用することで、攻撃トラフィックをフィルタリングし、正規のトラフィックのみを対象となるシステムに転送することができます。
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レスポンス計画の策定: DDoS攻撃が発生した場合に備えて、迅速かつ効果的な対応を行うためのレスポンス計画を策定します。攻撃検知から迅速な通知、適切な対策の実施、インシデントレスポンスチームの組織などが含まれます。
DDoS攻撃は、常に進化しているため、セキュリティ対策の持続的な改善とモニタリングが重要です。組織はセキュリティ専門家のアドバイスや最新のセキュリティ情報にアクセスし、適切な対策を実施することが求められます。