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ROM

「ROM」は、コンピュータや電子機器において使用される用語で、”Read-Only Memory”(読み取り専用メモリ)の略称です。

ROMは、データを読み取ることはできますが、書き込みや変更を行うことができません。情報を永続的に保存するために使用され、電源が切れてもデータが保持されます。主な特徴として次の点が挙げられます:

  1. 不変性: ROMは読み取り専用であり、一度プログラムやデータが書き込まれると、一般的には変更することができません。これにより、重要なデータやソフトウェアが誤って変更されることを防ぐことができます。
  2. データの永続性: ROMに保存されたデータは電源が切れても保持されます。これにより、コンピュータや電子機器を再起動しても、重要なデータやシステムの初期化プロセスなどが失われることがありません。
  3. ファームウェアの格納: ROMは、コンピュータや電子機器の基本的なソフトウェアやプログラムであるファームウェアを格納するために使用されます。ファームウェアは、ハードウェアの制御や動作を管理するための重要な役割を果たします。
  4. ソフトウェアやデータの配布: ROMは、プリインストールされたソフトウェアやデータを配布するために使用されることもあります。例えば、コンピュータのオペレーティングシステムやゲーム機のゲームソフトなどがROMに格納されています。

一般的なROMの種類には、CD-ROM(光学ディスク)、DVD-ROM、Blu-ray Disc(BD-ROM)、ROMチップなどがあります。これらのメディアは、データを読み取り専用で提供し、永続的な情報の保存に使用されます。

なお、一部のROMタイプでは、書き込みや変更が可能なバージョンも存在します。例えば、”Erasable Programmable Read-Only Memory”(書き換え可能な読み取り専用メモリ)であるEPROMや、”Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory”(電気的に書き換え可能な読み取り専用メモリ)であります。EPROMやEEPROMは、特殊な手順を経てデータを書き換えることができるROMのバリエーションです。これらのROMは、特定のプログラミング装置や電気信号を使用してデータを消去し、新しいデータを書き込むことができます。

  • EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)は、紫外線を使用してデータを消去することができるROMです。特殊なEPROM消去装置を使用し、紫外線を照射することでデータを削除し、新しいデータをプログラミングします。EPROMは再利用可能ですが、データの消去には特殊な手順が必要であり、一度書き込んだ後でも容易に変更できないという制約があります。
  • EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)は、電気的な信号を使用してデータを消去および書き込むことができるROMです。EEPROMはEPROMに比べてより簡単にデータの消去と書き込みが行えます。特定の電気的な信号を送ることで、データを消去し、新しいデータを書き込むことができます。EEPROMは書き換えが可能であり、特定の回数までデータの変更が可能です。

これらの書き換え可能なROMは、製造工程やデバイスのプログラミング、ファームウェアの更新など、特定の目的に使用されます。一方、通常のROMは一度プログラムされたら変更できないため、信頼性とデータの永続性が求められる場面で使用されます。

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