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TCP SYNフラッド

TCP SYNフラッド(TCP SYN Flood)は、ネットワーク攻撃の一種であり、TCP/IPプロトコルを利用したDoS(Denial of Service)攻撃の手法の一つです。この攻撃では、攻撃者が大量のTCP SYN(Synchronize)パケットをターゲットのサーバーに送信することで、サーバーのリソースを消耗させ、正常な通信を妨害することを目的としています。

TCP SYNフラッド攻撃の手法は以下のような流れで行われます。

  1. 攻撃者は複数の偽のIPアドレスを使用して大量のTCP SYNパケットを送信します。
  2. ターゲットのサーバーはTCP SYNパケットを受け取り、それに応答するためにACK(Acknowledgment)パケットを返します。
  3. しかし、攻撃者は偽のIPアドレスを使用しているため、ACKパケットは実在しないアドレスに送信されます。
  4. ターゲットのサーバーはACKパケットの応答を待ち続けるため、リソースが消耗され、正常な通信が妨害されます。
  5. サーバーは新しい接続の受け入れを制限し、過負荷状態に陥ることがあります。

TCP SYNフラッド攻撃は、サーバーの負荷を高めるため、正規のユーザーからの接続を遮断する可能性があります。これにより、ウェブサービスやネットワークサービスの可用性が低下し、ユーザーアクセスの停止や遅延が発生する可能性があります。

TCP SYNフラッド攻撃に対抗するためには、以下のような対策が考えられます。

  1. ファイアウォールやIPS(Intrusion Prevention System)の導入:不正なトラフィックをフィルタリングし、攻撃パケットを遮断します。
  2. SYNクッキーの有効化:サーバーがSYNパケットを適切に処理できるようにするために、SYNクッキーを有効にします。
  3. ロードバランサの使用:リクエストを複数のサーバーに均等に分散することで、負荷を分散させます。
  4. セキュリティ対策のアップデート:TCPスタックの脆弱性を修正するために、セキュリティパッチやアップデートを適用します。
  5. トラフィックモニタリング:通常のトラフィックパターンと比較して異常なトラフィックを監視し、早期に攻撃を検出します。

TCP SYNフラッド攻撃は、ネットワークセキュリティの脅威の一つであり、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。

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